ブラック企業を避けるコツ!社員から愛される会社経営者が意識していること

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ビジネスパーソンが転職する際に気をつけていることは何か?というテーマで、3、40代の転職実態をディスカッションする機会がありました。

以前もコラムに書きましたが、転職希望者は比較的多いものの、一方でどこの会社も採用で苦戦しているようです。特に社歴の長い中小企業では、それが顕著なようです。

そういった傾向からか、企業側も採用のために様々な取り組みをしています。副業を解禁したり、在宅勤務や産前産後休暇を充実させたり、または中小企業ながら、オフィスをベンチャー企業風にするという話もよく耳にします。

パッと聞くと良いことだらけに思えるのですが、転職者にとって大事なことは、働く職場のインフラではなく、新たに働く会社の仕事の内容であり、職場の人間関係のはずです。

もちろん企業のコーポレートサイトや求人情報、またはメディア情報など、外から見て良い会社だと判断するからこそ求人に応募するのだと思うのですが、いざ転職してみると、外から見聞きした際の評価と比べて、あまりにも酷い内情とのギャップに後悔したという方も多いのではないでしょうか?

そういったリスクをできるだけ排除するのが、あいだでとり持つ人たち。具体的にはヘッドハンターや人材エージェントだったりするわけですが、エージェントとはいえ、成果第一主義の方が多く、有能な一部のエージェントを除くと必ずしも転職者第一で考えてくれるものではありません。

よってご自身の人生ですから人の意見に左右されることなく、実態がブラックではない会社をきちんと見抜く目を養う必要があります。

では中小企業への転職に際し、どういう点に気をつければ、実態がブラック企業の会社を避けることができるのでしょうか?それは、経営者の行動を観察すると、概ねわかります。

 

 

 

社員から愛される経営者は、社員に花を持たせる

社員が成果を出した際、成果は正しくその社員の実績としてカウントしているでしょうか?大半の経営者は「もちろん、そうしている」とおっしゃいます。

ですが実態は、そうでもないケースが多いようです。ブラック企業の経営者や役員によくある傾向です。特に”一を聞いて十を知る性格”の経営者の場合、その頭の良さがアダとなるケースがあるのです。

明治時代の政治家で、のちに総理大臣になった大隈重信は晩年、国民に愛されたことで有名です。ですが、40代までは頭は切れるが人徳がなく、素晴らしい政策を掲げるものの自己主張がすぎたため、帝国議会選挙で惨敗したそうです。

そんな時、大隈重信は盟友である五代友厚から、こう忠告されたそうです。

 

 

君と部下が似たような意見を持っていたら、部下の意見として採用したまえ。

 

そうしないと君の人徳が疑われるぞ。

 

頭にきて怒鳴るのは、人徳・人望を失う原因になるぞ。

 

 

このように、人を見下したような独りよがりで独善的なトップの姿勢は、次第に多くの敵を作ります。

頭のいい組織のリーダーほど、こんなバカに説明している暇はないと思いがちですが、その人の凄さの本質がわかる立場の人にはかろうじて理解できても、リーダーの立場を経験したことのない普通の人たちからすれば理解できるわけがありません。

よって、単に嫌なやつというレッテルを貼られてしまうのです。歴史上、これがきっかけで失脚した政治家、経営者の事例は数多くあります。

そのあたりを理解している経営者は、社員に対して、きちんと礼節を持って対応します。必要とあれば、成果を社員のおかげと評し、花を持たせます。そういう態度がさらに共感の輪となって広がり、有能な人材を惹きつけるのです。

考えてみれば当然です。社員は奴隷ではなく、ビジネスパートナーです。経営者が会社のトップとして自分の力以上の成果を引き出せるのは、自分を支えてくれる有能な社員たちが能力発揮して働いてくれるからなのです。

社員から愛される経営者は、社員を雇用しているという意識よりも自分のビジョンを一緒に実現するために協力してくれているビジネスパートナーであると思うため、パワハラとは程遠いコミュニケーションを実践しています。

 

社員から愛される経営者は、相手の聞きたい話をする

ブラック企業の経営者に共通する考え方の一つに、会社の将来を左右する重大な結論は、ご自分だけで決めてしまう傾向があります。というと、「経営者の仕事とは、まさにそういったことの意思決定にあるのではないか?」という声が聞こえてきそうです。

もちろんこれが「意思決定だけはご自身が最高経営責任者として決定し、それとセットで結果責任もご自身がとる」と言うことを有言実行できている経営者のケースであれば、何ら問題ありません。

ですが残念なことに、最終的な結論に至るまでのプロセスすら周りにきちんと説明せず、結論だけをご自身が独善的に決めてしまい、さらにはいざ、その結果が悪かった場合に、ご自身の責任は曖昧にし、実行した社員の問題として処理してしまうケースは最悪です。

実はこのケース、中小企業ではまだまだ非常に多いのです。

そのため、これを繰り返す経営者の場合、せっかく採用した有能な社員の離反を招いてしまうわけです。実際に私の関わった会社の一つでも、これと同様の事象がありましたが、こうなるとせっかくの成長軌道に致命的な水を差してしまうわけです。

こういう場合、経営者はご自身の意思決定に至るプロセスを丁寧に説明する必要があります。そしてその際には、相手の聞きたい話や求める話を見極めてから、きちんと答える姿勢が大事なのです。

それでも納得できない社員は必ずいることでしょう。ですがそれ以上は、時間を割く必要はありません。すでに経営者として必要な説明責任は果たしています。それ以上の理解を得られない社員は、いずれ住む世界が変わる可能性があります。それは受容する以外にないのです。

いずれにせよ、社員から愛される経営者は、どんな立場の社員に対しても分け隔てなく喋りかけ、相手の聞きたい話や求める話をきちんと見極めて答えてくれるのです。

 

社員からイマイチ愛されない二流の経営者は、信念を貫くことに固執しすぎて独善化してしまう

よく、「トップになるまでは理解のある理想のリーダーだったのに、トップになった途端、人が変わって独善的になった」という経営者の話を聞くことはないでしょうか。

ではそもそも人はトップになると、なぜ自分だけで物事を独善的に進めてしまうことが多いのでしょうか。

オリックスの宮内会長は以前、このようなことをおっしゃっていました。

 

 

人は信念を持ち、信念を貫こうとする時ほど、せっかちになります。

 

だからトップの人、つまり経営者というのは、大抵せっかちなわけです。

 

そして信念があると、当然ながらやりたいことがたくさん出てきます。

 

そうするとどうしても急いでやりたくなるわけです。

 

 

こういった一連の流れの中で、信念を貫くことに固執し、一緒に実現してくれる周りへの説明責任を忘れ、勝手に行動することで周りからは独善的行動しているように映ってしまうのです。ここがポイントだと思います。

ですが一流の経営者は、独善的に進める手前でふと、立ち止まります。本当に大切なことは何か?そこから自分は経営者として何を実現したいのか?をきちんと冷静に自問自答するわけです。

信念やビジョン、つまり”ありたい姿”を実現したいのは、なぜか?そしてそれは、何を大事にすれば実現できるのか?

そこをしっかりと考え尽くした上で、独自の哲学を持つ経営者であれば、やがて会社組織でビジョンを実現するためには、社員を大切にすることが最も重要だということに気がつくわけです。

社員に花を持たせ、社員の話に耳を傾け、社員の聞きたい話をする。心から社員に感謝する気持ちを持つ経営者が、有能な社員を大切にし続ける経営こそが組織のブラック企業化を防ぎ、ひいてはビジョナリーカンパニーを作り上げていくのです。