業績好調で活性化する中小企業には、違いを明確に伝える経営者のビジョンがある

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「価格競争に陥らず、常に競争力を維持する中小企業に共通しているなと思うことは、何ですか?」

先日、コンサルティングを実施させて頂いたクライアント企業の社長とのディスカッションの途中に、このようなご質問を頂きました。私は一言、こうお答えしました。

「当該企業の見込み客から見て、ありたい姿や特長が明確ですね」

これは具体的にどういうことのかを、その背景も含めて見ていきたいと思います。

中小企業が明確に発信すべきメッセージ

インターネットが普及して20年ほど経ちました。以前であれば新聞や会社四季報、またはビジネス専門誌でしか知り得なかった企業情報は、今や誰にでも簡単に検索して知ることができる時代です。

ではそんな時代に、中小企業が自らの存在を世の中に広く知ってもらうためにまず必要なことは何でしょうか?

商品・サービス力だという方がいます。もちろん、それも大事です。ですが日本人は「よいものを作り続けていれば、いつかお客さんが評価してくれる」といった受け身の情緒性を持ってしまいがちです。

社会的価値を持つ企業である以上、お客様や社会にとってよい商品・サービスを提供することは当然のことです。大事なことは、その自社の情報や専門性といった特長を、伝えるべき見込み客に対してわかりやすく明確に伝え続けるということです。つまり事業領域や商品・サービスの特長をクリアに伝えるということです。

そうでなければ、見込み客はあなたの会社に対し、何ら特別な印象を持つことなく特長のない企業と判断してしまい、同等品を高いQCD(高品質・低価格・即納)で実現できている業界大手企業にて購入してしまいます。

あまりにも当たり前のことを申し上げているように思えるかと思います。ですがこの当たり前のことを取り組み続けている企業というのが、実はあまりにも少ないというのが現実です。

 

コミュニケーションは受け手が決めるという真実

私の発言に対し、先の社長はこうおっしゃいました。

「なるほど。ですがうちの会社は、こういう事業だということは相手に対して明確になっている自信はありますよ」とおっしゃいました。ですが最も大事なことは、その明確な違いは経営者である貴方が分かっていても意味はないのです。伝えるべき相手である見込み客が瞬時にわかることが肝要なのです。

社長ご自身がわかっていることは、当然のことです。また社員や既存顧客の方々がご存知なのも当然でしょう。しかし企業が成長するためには、いかに継続して新規顧客を獲得し続けるかが重要になってきます。

であれば、いまはまだ出会っていない、未来のお得意様になるかもしれない見込み客に対して「ああ、他社とは違って、これができる会社なのか!」と違いを明確に瞬時に認識して頂けるコミュニケーションが何よりも重要なことなのです。

そのためには、相手に対して一方的に伝えている(=自社が発信している)ことに自己満足することなく、常に本当に伝わっている(=相手が受信している)かどうかまで、きちんと詳細に把握できていなければなりません。

その結果、見込み客が自社に対し、違いを明確に感じ取ってくれることが、出会いのタイミングから自社の存在価値を高めてくれることに繋がり、結果として価格競争に陥る可能性を軽減してくれるわけです。

よってこれは、業績が好調な中小企業に欠かせない条件であると思います。もしお時間があれば、一度貴方の会社にとって気になる競合企業をいくつか検索して頂き、各社の企業サイトを貴方の会社の見込み客の視点で客観的に読み込んでください。

驚くほど「何が言いたいのかわからない」企業が多いことに気づかされる一方で、最近、雑誌やネットで特集されている好調な中小企業は、違いが明確になっていることに気づかれると思います。

そして、こういう当たり前のことを愚直に取り組める組織づくりは、簡単なようで実は非常に難易度が高いわけです。

 

これからの社会問題を解決する企業は強い”違い”を発揮しやすい

ではどんな中小企業が強いのでしょうか。やはり、これからの社会で顕在化していく社会課題をテーマにビジネスを展開している企業のメッセージというのは、強烈なインパクトを残します。

ご存知の通り、日本は世界の歴史上、前例のないレベルでの人口減少や少子高齢化といった社会問題が複雑に絡み合って存在しています。

ですがこれは一方で、チャンスでもあります。日本が抱えている課題は、今後先進国のみならず、急成長を続ける新興国が将来抱えるであろう社会課題でもあるわけです。

その課題を明確に捉えて、解決策を提示できる企業というのは、間違いなく”未来から選ばれる”資格を有する企業となります。そういう明確なメッセージを持つ企業には、自然とヒト・モノ・カネが寄ってくるわけです。

今現在、大した特長などないと嘆く中小企業経営者の方には是非、前提を疑いながら、自社の特長を明確にする取り組みを真剣に実施頂けたらと思います。他社にはない、”未来から選ばれる企業”としてのポテンシャルがきっとどこかに眠っているはずです。

御社は見込み客から見て、違いが明確になっていますか?