わかっているようで混同しがちな、マーケティングと営業の役割の違いとは?

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商品やサービスが多様化する現代において、企業がものを売るためにマーケティング戦略の重要性がますます高まっていると言われます。とはいえ、マーケティングとは具体的にどういった活動を指すのか、明確に理解できていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。企業規模によってはそもそも社内にマーケティング部門や担当者がおらず、営業部門などがマーケティング関連の業務を担っているケースもあるでしょう。

この場合、営業担当者とは別に、専任のマーケティング担当者を作ることをおすすめします。そうすることで最大限の効果を得ることができるようになるはずです。というのも、マーケティングと営業は本来異なるものだからです。マーケティング業務は膨大で、営業活動の片手間で行うのでは不十分なのです。マーケティングと営業の違いについてご説明します。

 

企業における「マーケティング」活動と「営業」活動

マーケティング活動とは

日本マーケティング協会によれば、マーケティングとは「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」であると定義されています。この「総合的活動」には、マーケティングの4Pと呼ばれる以下の4つの領域における戦略や活動が含まれると言って良いでしょう。

・Product(製品・商品)
・Price(価格)
・Promotion(広告、宣伝)
・Place(流通)

ただし実際のところ、企業におけるマーケティング部門が上記のマーケティング活動すべての役割を担うとは限らず、開発部門や営業部門がマーケティング活動の一部を担っているケースも少なくありません。

そもそも中小企業では、マーケティング部門が存在しないというケースもあるでしょう。マーケティング部門があったとしても、マーケティングの4Pのうち、「Promotion」すなわち広報やプロモーションの役割のみを担っているというケースも多く見られます。

もう少し具体的な言葉で言い換えれば、マーケティング活動とは、企業が製品やサービスを、それを欲しいと思うお客様に的確に届けるための計画を立て、実行することであると言えます。

営業活動(セールス)とは

「マーケティング」という言葉がなんとなくとらえどころのない印象であるのに対して、「営業(セールス)」という言葉は日本の企業でも古くから使われてきた、多くの人にとってイメージしやすい言葉ですね。

営業活動とは、自社の商品やサービスをお客様に販売するためのプロセスのことを言います。お客様の要望や課題をヒアリングし、それらに応える自社商品やサービスを提案して、最終的に売買契約を締結するといった一連の販売活動が営業活動であると言えます。

先述の、「総合的活動」としてのマーケティングの定義では、販売もマーケティング活動の一環であると言うことができますが、多くの企業で販売活動はマーケティング活動とは分けて考えられ、営業部門が担うのが一般的です。

マーケティングと営業の役割の違いとは

マーケティングの役割

企業におけるマーケティング部門の役割は、「だれに」「なにを」「どうやって」売るかの仕組みづくり、言い換えれば自社の商品やサービスが「売れる仕組み」を作ることであると言えます。具体的には以下のような業務がマーケティング部門の役割です。

・市場調査
・商品企画
・商品開発
・物流、販売網の検討
・販売促進プラン立案、実行

商品やサービスを作って、その商品やサービスを欲しいと思う人や検討してくれそうな人、すなわち見込み客(リード)を獲得、育成するところまでがマーケティング部門の役割だと言えるでしょう。

営業の役割

営業部門の役割は、自社の商品を販売して収益を上げることです。具体的には以下のような業務が営業部門の役割になります。

・見込み客へのアプローチ(メール、電話、訪問など)
・要望や課題のヒアリング
・提案(プレゼン、見積り)
・売買契約の締結

マーケティング部門が獲得、育成した見込み客に商品やサービスを販売するプロセスを担うのが営業部門であるというわけです。

マーケティングと営業の違い

マーケティングと営業は担う役割が異なることから、業務にあたっての考え方などにも違いがあります。主な違いについて確認していきましょう。

重視する指標の違い

マーケティングでは、市場や顧客との関係を重視します。収益の安定化を図るためには、既存顧客の維持が重要となるため、そのための指標としてLTVが活用されることが多いです。LTVとは「Life Time Value」の略で、「顧客生涯価値」と訳されます。ひとり(1社)の顧客が自社との取引開始から終了までの間にいくらの利益をもたらすか算出するものです。一方、営業では短期的な売り上げが最重視されます。成約数および売上高、新規顧客のコンバージョン率などといった指標が重要視されることが多いでしょう。

対象の違い

マーケティング活動で対象となるのは「市場(マーケット)」全体です。市場に対してセグメンテーションを行い、特定のセグメントをターゲットとしてプロモーションなどの活動を行います。一方、営業活動の対象となるのは、個々の顧客です。特定の顧客に対して営業活動を行って販売へとつなげます。

マーケティングと営業は、いずれも企業にとって重要な機能です。担う役割は異なりますが、顧客の満足度を高め収益を上げるという最終的な目標は同じです。マーケティング部門と営業部門が協力、補完しあうことで自社の商品やサービスを上手に売ることができるのです。

今、営業活動に課題を感じている場合は、マーケティング活動との連携について改めて見直してみることが有効かもしれませんよ。