商品・サービス作りにおいて、顧客視点のマインドを醸成するために今すぐできる取り組みとは?

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コンサルティングをしているとよく相談される問題の一つが、商品・サービスのテコ入れです。現在の主力商品・サービス(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでいう”金のなる木”)で長く稼いできたものの、マクロ環境の変化などにより限界が近づいているものの、次のヒット商品として「何を作るべきか?」「何を売るべきか?」のアイデアが出てこないという悩みです。

これは中小企業にとどまらず、バブル崩壊以降の日本の大企業であれば、規模の大小はあれども共通の悩みと言えるかもしれません。経営トップが生み出せないため、社員に提案させるという経営者もいます。ですが、仮に社員が良さそうな提案をしてきたとしても、経営者であるあなたに良いアイデアと評価できる目が養われていないと、せっかくの社員の提案がお蔵入りする可能性もあります。

 

 

 

最近、新しい何かにチャレンジしてますか?で決まる

 

そんな時に私がまず最初にお聞きするのは、「社長、最近、新しい何かにどれだけチャレンジし、インプットしていますか?」ということです。

新しい何かをインプットするというのは、自分が知らなかったことを学んだり、自分が体験したことがなかったことを体験してみたり、自分が苦手だったことを克服してみたりすることを指します。

こう聞くと、日々仕事に忙殺されている経営者の方は必ず「そんな時間的余裕はないですね・・・」とおっしゃいます。ですが、これを忙しさを言い訳に怠っていると、危険です。

長年の経験と実績があればあるほど、人は現状に甘えがちです。それは社員という立場であろうと経営者という立場であろうと、意識しなければ同じです。あなたの老化が加速し、会社という組織の老化も加速してしまうわけです。これでは最悪です。だからこそ、まずは経営者ご自身が、新しい何かをインプットする第一歩が重要です。

そもそも新しいことへチャレンジすると、脳の老化を防ぎ、活性化すると言われています(一般社団法人・日本生活習慣病協会「新しいことへのチャレンジが脳が活性化 脳を若く保つための5つのヒント」より)。

なのでもし、新しいぜひ、新しい何かをインプットするという習慣を毎週もしくは隔週から取り入れて積み重ねてみてください。固定概念が崩れ、偏見や思い込みが減り、今よりもずっと常識に捉われないアイデアが出るようになります。

こうした常識に捉われないアイデアを、中小企業として何十年も培ってきたカタチにする力(技術力・開発力・組織力など)で実行することが、大事です。

 

本業に近すぎず、遠すぎずのインプットがコツ

 

ですが当然ながら、本業からあまりかけ離れた経験ばかりをしても意味がありません。私は事業のシナジー効果をあまり信じるタイプではありませんが、仮にシナジーはなくとも本業に何らかの好影響がありそうな”新しいこと”にチャレンジし、インプットすることを心がけてみてください。

とはいえ忙しくて、なかなかインプットをする余裕がないという方にオススメしている”最初の一歩”は、読書とテレビです。

例えば経営者やビジネスパーソンの方の場合、日本経済新聞を読んでいるかと思います。ですが一方で、日経以外の一般紙(読売・産経・朝日・毎日)まで読んでいるという方は少ないのではないでしょうか?

ビジネスの基本は、一般庶民の生活、風俗を理解することに尽きます。マクロ経済や企業、政治寄りの経済紙だけに留まらず、広く一般紙や週刊誌にも目を通すことで、インプットの偏りを減らせる効果があります。

またネットの普及により視聴機会が少なくなってきたと言われるテレビですが、生活・実用・ビジネス関連の番組はここ数年で非常に増えている印象があります。特にテレビ東京系が打ち出す月曜から木曜までの夜10時台は「”働く人応援宣言”テレ東22:00」と銘打ったビジネスプログラムですが、しっかりした取材に基づく社会の実像をビジネスの切り口から見せる作りになっており、常識に捉われないアイデアを生み出した(もしくは生み出しつつある)事例の宝庫ですので、視聴しながら自社に置き換えてアイデア出しのヒントにするのも一つです。

こうした読書やテレビといった切り口で、多角的なインプットを増やしていくだけでも効果があります。

 

企画の9割はボツになる?アウトプットし続ける以外に近道なし

 

さて、アイデア出しから商品企画を実行しても、全てが商品化できるアイデアになるはずがありません。特に日本は先進国であり、モノが満ち溢れています。よって、世界一とも言われる目の肥えた顧客に熱狂的に支持される商品・サービスが生まれる確率は、限りなく低いのが現実です。だからこそ、日々商品企画のネタを収集し続けるというアウトプットが重要になります。

今や日本の家電メーカーの一角を占めている、アイリスオーヤマ。扱う約15000商品の全てが、毎週月曜日に実施されるという新商品企画会議から生まれるそうです。生活者の目線で新商品アイデアを議論する新商品企画会議の3つのポイントが、「シンプルな機能」「リーズナブルな価格」そして「良い品質」です。会議には商品開発に関わるあらゆる部門の代表者が一同に介して議論し、情報を共有することでスピーディな上市が実現できているそうです。

その結果、アイリスオーヤマの売上高における新商品売上の割合は、なんと64%。驚異的な数字です。ロングセラーに頼ることなく、移り変わる顧客ニーズに応え続ける姿勢が仕組み化されている好例であると言えます。

ですが、どこの会社でも実現できることではないと思います。一説には企画の9割はボツになるという話もあります。ですが大事なことは、チャレンジし続け、アウトプットし続けることです。そのためにはまず、顧客目線でアイデアを生み出し続けるマインドセットが重要なのです。