問題解決に悩む経営者ほど「とにかく社員の話を聴くことに注力」すべき理由

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マネジメントのトップだからと、経営者の中には社員の考えていることを読めるようになりたいとおっしゃる方がいます。また、社員が今、何をどのように考えているか?は、観察していれば常にわかると豪語される経営者の方もいます。

確かに会社経営において、社員の考えていることが手に取るようにわかれば、経営者として有益であることは間違いありません。よって経営者が社員の心を読めるに越したことはないのですが、これが「分かったフリ」なのであれば様々な問題に発展しかねないため、注意が必要です。

 

経営者が”分かったフリ”をしても、何一ついい事はない

この”心を読める”と豪語する経営者の傾向として実に多いのが、物事に対して「分かったフリ」をするということです。例えば会議の場で社員からの報告に対し、「ウンウン、わかるよ」とか「・・・それは分かっている・・・」と言うことが口癖であるタイプの方は、注意が必要です。

その理由は、社員に対して自分は立場上、何でも理解していなければならないと無意識に思い込んでいる可能性があるからです。そのため無意識に経営者であるというポジションパワーを利用し、常に理論武装をし、社員とのやり取りでは(強弱はあれども)論破することが大前提になりがちなのです。まるで絶対君主のようです。

ですがそれでは、ご自身の経営者としての器の小ささをさらけ出す結果になるため、逆効果です。それどころか、こういうスタンスで社員とのコミュニケーションを取っていると、社員からの報告や提案の質が低下する恐れがあります。「うちの社長は、何を話しても真剣に受け止めてくれないから・・・」というマインドになってしまうわけです。

これでは、いざという時に問題が正しくエスカレーションされず、それがやがて会社経営に大きな影響を与えてしまうかもしれません。

では、どうすればいいのか?

簡単です。社員からの話はしっかりと聴く、ということです。パソコンやスマホをいじりながら、というのはダメです。ちゃんと目を見て、真剣に話を聴くことが大事です。

もし仮に、社員からの報告や提案の途中で内容の全容が読めた(分かった)としても、遮ってはいけません。あくまで最後まで話を聴きましょう。社員がこれからも報告や提案をしたくなるようなアドバイスやコメントを付け加える配慮が重要なのです。

それは一体、なぜか?

 

経営者一人では実現しないビジョンを実現するための組織

そもそもですが、経営者が社員に対して、分からないことをストレートに聞いて、問題があるでしょうか?何か恥ずかしいでしょうか?よく考えてみたら、何もないわけです。

それは、なぜか?

これは会社をイチからスタートした経験のある起業家であれば、経験的に分かることなのですが、なぜ会社という組織(=自分以外の人を社員として採用していくこと)を作ってビジネスをしているのかといえば、経営者一人では実現できない規模・レベルのビジョン、つまり”ありたい姿”を実現させるためです。

そのために社員や社外パートナーに協力してもらっているのです。前時代的でブラック企業にありがちな「俺は経営者だ、お前たちに給料を払ってやっているんだから、しっかり働け」という二流経営者の発想は、そもそも根本的に間違っているのです。

これは社員に対し、言葉に出しているかどうかではありません。心の中でそう考えているか、いないか?まで含めた、マインドセットとして非常に重要なのです。

つまり、この「経営者一人では実現できない規模・レベルのビジョン、つまり”ありたい姿”を実現させるために、社員が社外パートナーに協力してもらっている」という本質部分を経営者が正しく理解していれば、本来社員や外部パートナーに対し、謙虚にわからないことを聴く姿勢は恥ではなく、むしろ日々実践すべき正しいな取り組みのはずなのです。

ですが、なぜか出来ていない経営者が、世の中にはたくさんいます。これが、組織のトップという権威の魔力です。最初は謙虚な姿勢であっても、徐々に謙虚さを失ってしまうのが人間です。だからこそ初心とも言えるビジョン、つまり”ありたい姿”を日々忘れないマインドが大事なのです。

 

数多くの社員を活かせるのが成果を出す一流経営者

ビジョンを実現するためにも、経営者は社員の話をしっかり聴いて、頭をスッキリさせることです。それは、経営者の重要な仕事でもある、意思決定の精度を高めるためです。様々な意見を取りまとめ、ビジョンに照らし合わせて意思決定し、スピードを高めて実践すること。こうやって成果を出す経営者こそが、器の大きい経営者ではないかと思います。

そもそも何を聞かれても理解している人など、この世にはいません。それがたとえ経営者であっても、です。

もしあなたが「私は経営者だから・・・」とか「私は社員よりも役職が上だから・・・」と思いがちであれば、あなたは(無意識に)組織のトップという権威の魔力に毒されているか、何らかのコンプレックスを持っている可能性があるため、意識改革が急務です。

経営者は、社員を活かしきれてこそ一流です。もしあなたが「社員の心を読める」と豪語されるのであれば、そのあたりのことを踏まえて、謙虚に社員の心を正しく読み、意思決定に活用頂けたらと思います。